Track listing: 01. Enduring Freedom 02. Fork-Fed 03. Deathwatch on the American Empire 04. Space Needle
アヴァン・ジャズの伝説、ネルス・クライン(Wilco, Thurston Moore, The Geraldine Fibbersらと共演)と、神出鬼没のビートフリーク、ザック・ヒル(Hella, The Ladies, Team Sleep等に在籍)のふたりは過去数年に渡って、一緒にノイズを生み出す機会がないものかとそのチャンスの到来を待っていた。それはほんの数時間だけでも十分なのに、クラインがWilcoに正式に加入し、ヒルがPinbackのロブ・クロウとThe Ladiesを始めた時、その夢は遥かかなたに消えていってしまうように感じられたものだ。そして、ヒルがHellaとして今時のロックの代表格バンドSystem of a Downとアリーナツアーをする頃にはその夢は確実に消滅してしまったかのようだった。が、真の幸運と慎重な計画のもと、Wilcoのシカゴでの1日のオフ日に、ヒルがシカゴに居合わせることになったのだ。
それは2004年の大統領選挙の晩、部屋にいる人のなかにハッピーな奴などどこにもいなかった。緊張感がみなぎり、混乱が生まれ、そして皆の頭脳は氷ついてしまった。クラインとヒルはその翌日、共同制作であり御祓いの意味をもこめた作品を制作した。この狂気に駆られたレコーディングはMatt Zivich(Wilcoのライブサウンドエンジニア)とJonathan Hischke(Hellaツアー時のベース)を巻きこみ、進んでいった。
収録とミックスはシカゴのSemaphore Studioにて1日で行われた。 このアルバムに収録された4作品はすべてインプロ、即興演奏されたものだが、クラインの元Geraldine FibbersのパートナーCarla Bozulichの好意により、ほんの一部ポストプロダクションでのエディットが加えられている。Wilcoの最近の作品に聞ける全開した抽象性と、もっと緩やかでよりミニマリスト的なHellaの要素のちょうど中間に位置するようなこのダムゼル は、カオスを驚くほどコントールする力をみせる。最も短い曲で7分という長めの曲4作品は、澄んだエレクトロアコースティックなアンビエントサウンドから荒れ狂いながらすべてを洗い流してくれるスコールような作品にいたるまで、幅広く世界を展開させる。
そこには無秩序で無意味になっていく音が聞こえるのではない。つかむことができない力、その存在を信じて自分を委ねる姿がみえるはずだ。