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Via Satellite "Cities are Temples"
HECY-1018 ¥2,310 (CD) 2005.08.24 Release
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Track listing: 01. Seven Winged Lions 02. Sunrise 03. Faithfulness 04. Passing 05. Close as Can 06. Cottonツ 07. Revival 08. Gloryツ 09. Across Seasツ 10. Already Gone 11. When You Look Awayツ (bonus track) 12. Steps Taken,Not Takenツ (bonus track)
ギター×2、アンプ×2、キーボード×4、ラップトップ×2、サンプラー×1、ドラムセット×1、プレイヤー×3。これがここに紹介するヴィア・サテライトのライヴ・セットである。つまりは3人という翻訳家が様々な音楽言語を“ひとつの言語体系=ヴィア・サテライト”として編み出していくのが彼等の音楽構築法という訳だが、すべてがあらかじめ柔らかい甘さに染め上げられたかのようなソフトフォーカスの語り口は、他者との比較を無効化してしまう程の強烈な個性を持ち合わせている。彼等と親交のあるシガー・ロス、アルバム・リーフと同様の個性を。
詩的な音楽を奏でるバンド/アーティスト達〜アルバム・リーフやThe Blackheart Procession〜などが繋がりながら良質アンダーグラウンド・シーンを形成しているサンディエゴ。その中心的な住人であるヴィア・サテライト(現に3年連続でサンディゴ・ミュージック・アワーズを獲得している)は、メンバーそれぞれが多様なチャンネルを持ち合わせた才人達の集合体だ。元牧師のドリュー・アンドリュース(vo、g、laptop、key)と心理学者にして芸術家でもあるティム・リース(ds、sampler)はライヴ/作品面でシガー・ロスと交流の深いアルバム・リーフのツアー・メンバーとして、文学を修めたスコット・メルカード(vocals、g、sampler、key)はソロ・プロジェクト、Manuokとしても活動。因にティムはヴィア・サテライトの作品やアルバム・リーフの『イン・ア・セーフ・プレイス』のアートワークも手掛けている。ともあれ、それらの活動がヴィア・サテライツのサウンドとリフレクション関係にあるのは言うまでもない。 現在までに『Wake Up Heavy』(00年)、『!TRAFFICO!』(02年:03年にはアルバム・リーフなどがリミックスを施したリミックス・アルバム『re:Public』も発表)という2枚のアルバム、 Goodbye Blue MondayとのスプリットEP「We Heart Music」(03年)を発表してきたヴィア・サテライトは、ドリューの言葉を借りるとライヴ・パフォーマンス・バンドからエレクトロニックの真新しい可能性の構築への進化をそれらの中で遂げている。とは言え、エレクトロニックがサウンドのすべてでなく、そのオーガニックな使用法によって温かさの加速装置になっているのは本作『シティーズ・アー・テンプルズ』が饒舌に物語っている
ドリューとスコットが持ってきたアイディアに対してティムが中立的な立場で意見する制作のプロセスを持つヴィア・サテライト。3人の感覚の整合性や一貫性に意味を見い出すのでなく、ひたすら何かが見えるまで見つめる姿勢は、思いやりや慈しみに溢れたサウンドとなって表れている。エレクトロニックが現実感を抜いていくが如く浮遊感やグルーヴを演出したり、生のバンド感が感情の発熱を手応えとして残したり、囁くように流れていく歌が現実と非現実の間の鎧戸を開いたり……する多面性は、色彩で語るサウンド全体にとっての緩やかな包容と等式で結ばれる。そう、ここで繰り広げてられているのは、あまりにも広大なる音楽詩のシンフォニーともいえる世界なのだ。 ドラマティックな展開を持ちながらも、決して過剰に陥らないのは詩の空間にも似た色彩の淡さがなせる業。それは、この世界にある微細な出来事も見逃さない感受性の鋭さも連想させる。ヴィア・サテライトの紡ぐメロディはそんな催眠術をかけるような効果がある。そして物理的時間の拘束から解き放たれたリスナーがそこに見るのは、具体的な感覚の残る美しきファンタジーの世界なのだ。夢から覚めた後に覚える、あの感覚と同じ種類の...。 (ライター/安部 薫)